マテウス ロゼ
「何を探すっていうの?」
子どもはしばらくちゅうちょしていましたがとうとう思い切ったらしく云いました。
「ポラーノの広場」
「ポラーノの広場?はてな、聴いたことがあるようだなあ。何だったろうねえ、ポラーノの広場」
「昔ばなしなんだけれどもこのごろまたあるんだ」
「ああそうだ、わたしも小さいとき何べんも聞いた。
野はらのまんなかの祭のあるところだろう。あのつめくさの花の番号を数えて行くというのだろう」
「おや、つめくさのあかりがついたよ」
ファゼーロが叫びました。
なるほど向うの黒い草むらのなかに小さな円いぼんぼりのような白いつめくさの花があっちにもこっちにもならび、そこらはむっとした蜂蜜のかおりでいっぱいでした。
「わかったよ、とうとう。僕ゆうべ行くみちへすっかり方角のしるしをつけて置いた。地図で見てもわかるんだ。今夜ならもう間違なくポラーノの広場へいける。
ミーロはひるのうちから行っていてぼくらを迎えに出る約束なんだ。
ぼく行って見てほんとうだったらあしたはもうみんなつれて行くんだ」
宮沢賢治「ポラーノの広場」より
ファゼーロやミーロや「わたくし」があれほど憧れ探した
伝説の「ポラーノの広場」とは、結局何だったのか・・・
『前の二本の樺の木のあたりからポラーノの広場へも何べんも行きました。
もうそのうちにつめくさの花はだんだん枯れて茶いろになり、ポラーノの広場のはんのきには
ちぎれて色のさめたモールが幾本かかかっているだけ』
瓶は前出マテウス ロゼ。
ポルトガル生まれの微発泡性ワイン。
甘くて軽くておいしくて、どんどんいっちゃいました。
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